整流管

幾多のトラブルを乗り越えて(大袈裟)やっと安定稼働を始めた 46 シングルだが、整流管が直熱管で且つ出力管が直熱管直結アンプの宿命で、起動時に「ブーン」という大きな音が出る。出力管の立ち上がりに傍熱管であるドライバが追いつかないせいなのだが、このアンプのドライバに使っている 6N6P はかなり立ち上がりの遅い球のようで、他の似たような構成のアンプと比べてもこの起動音が長く大きい。

大した問題ではないと思いつつ、できるだけ回避しようと整流管を Bendix 6106 に変更してみた。よく知られているようにこの球は 5Y3 と同様の定格(ヒーターだけが 1.7A とやや省電力になっている)の高信頼管で、えらくごつい作りであるが何故か人気がなく安価に入手できる。特徴としてヒーターの立ち上がりが極めて遅く、1分くらいかかることが挙げられる。これならB電圧が立ち上がる前に 6N6P のヒーターもあったまって、起動音がなくなるという寸法だ。

早速元の 5Y3WGTA と差し替えると、起動音はほぼなくなる。完全にゼロじゃないあたり 6N6P もしぶとい奴だが、ほとんど気にならないレベルである。各部電圧の違いは数Vなので気にしない。音質的には、若干なめらかになったような気がしないでもないが、まあ大して変わらない。あからさまに悪くなることがなければよい。なんで整流管で音が違うのかよく分からないが、時々まるでダメな奴があるのも確かで、6106 は以前も使ったことがあるがまあ問題なかったので今回も採用することとする。