定電流シングル

音屋で Peavey 6550 を買うと JJ の KT88 が届く!ペア5980円!市価のほぼ半額!というわけで思わず買ってしまったのだが、考えてみるとこの手の球がずいぶんたまってしまった。松下や旧 TESLA の 6CA7/EL34、Ei KT90、東芝 6G-B8 など、似たような規格の大型出力管がたくさんあるところに KT88 まで加わったわけで、このまま死蔵しているのももったいない。というわけで、無調整で球を差し替えて遊べるアンプを考えた。

いちから作るのも面倒だしコストもかかるので、以前作った 7984 シングルを改造して、カソードを定電流で縛ることにする。ヒントにしたのはエレキットの TU-8300 である。こうすれば球に寄らず決まった電流が強制的に流れるので、種類が違っていてもへたった球でもバラついた球でも使えてしまうはずである。LM317 と18Ωの抵抗を組み合わせて、70mAくらい流れるようにする。もとのままだとゲインが高すぎるので、とりあえず初段の 6BN11 を三結にすると、6G-B8 の場合で約4.5dBの負帰還で仕上がりゲインが21dBくらいになる。好みからすると低めだが仕方がない。

回路はこういう感じ。

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この回路で、最大プレート損失25W以上、Ep=400V くらい、かつ Ip=70mA のときバイアスが -40V くらいまでの球でピン配列が同じ球なら差し替えて使うことができる。ざっと聞いた感じでは、球による違いはあまり大きくないが、KT90 と KT88 が好印象かな。全体として定電流シングルにはかなり可能性があるんじゃないかと思える音だ。少なくとも改造前の 7984 シングルよりはいい。歪率などは前より悪くなってるくらいなんだけどね。