PD-D6続き

というわけで、何日か普通に音楽をこれで聴いている。ほとんどはトランスポートとしての使用である。

使っているうちにちょっと気になったのが動作音。要するに回転音なのだが、静かな曲だと少し耳につく。これを防ぐ方法があるか少し考えてみる必要があるかも。その他の動作では特に問題はない。読めないディスクもないし反応もそれほど遅くない(CD 専用機には劣ると思うが。実際 DPF-7002 はディスクのローディングは一瞬である)。

一方トランスポートとしてはかなり能力があるのではないかと思う。Jungson だとなんとなく段ボールでできた部屋で聴いているような、響きが足りなくてひっかかるような感じを覚えることもあったのだが、これにしてからは響きがきれいでスムーズである。特にオレがいちばんよく聴くペルトやトゥールのように音数があまり多くない室内楽的な音楽だと顕著で、楽器が絡み合う響きなどがすんなりと聴こえる。あまり音場がどうのという最近のオーディオ的文脈で使われる用語は好きではないのだが、演奏される空間が広くなったような感覚はあるなあ。

もちろん PD-D6 以外、DAC 以降の構成は全く変わっていないので純粋に送り出しの変更による変化だと思うのだが、買ったときも書いたようにトランスポートでこんなに音が違うとは思わなかった。ほとんど期待してなかった側面だけに得した気分だ。用途のほとんどは Promitheus Audio の DAC に対するトランスポートとしての使用なので、DAC とアナログ回路に力が入っているらしい D9 を買う意味はあまりなかったわけで。

そりゃあ精度を極限まで上げた業務用ハイエンドのトランスポートなどであれば全く違う世界があるのだろうが、そこまでいかないレベルなら、パイオニアティアックヤマハなど、定評のある光学ドライブを自社生産しているメーカーの製品が安心できるのではなかろうか。もちろん個人的には PhilipsCEC のドライブにも興味はあるが、あのへんは SACD プレーヤーを出してないからなあ。オレの趣味としては、ゴージャスな SACD プレーヤーと、CECPhilips のドライブを使ったトランスポートといい NOS DAC を全部持ってれば理想的なのだが、金も場所もないので次善の策としてはこの機種を買ったことはまあまあの選択だったのではないかと思っている。