UTC A-20 のこと

サブで使っているプリアンプは、7AF7 のカソードフォロワ出力に UTC A-20 を噛ませているのだが、考えてみれば別に A-20 がなくても使えるのである。このプリアンプも自作初期に作ったものに改修を加えて使っているのだが、そろそろ抜本的な改善が必要な気がする。そもそも回路的にオレの好みからするとちょっと複雑に過ぎる。

で、A-20 なのだが、なぜかオーディオ的には 1:1 のライントランスとしてばかり使われていて、それ以外の使われ方を見たことがない。元々はマイクとラインのマッチングトランスなので、インピーダンス変換やステップアップにも普通に使われていたはずなんだけど。真空管アンプ的にはクラーフ接続で 500:125 みたいな使い方をすると、出力インピーダンスの低減とゲインの削減が一緒に安定して可能になるからいいような気がする。そういう使い方を見ないということは何かまずいことでもあるんだろうか?

ざっと計算してみると、たとえば 6G6G の三結単管プリアンプなどが考えられる。6G6G は低圧低電流でも割と直線性が良いのとバイアスが浅いのとでこういう使い方も出来るんじゃないかと。一般的な電圧増幅管よりだいぶゲインが低い分、トランスでゲインが半分になれば無帰還ですむから楽だ。

最近は人気も一段落したのか A-20 の相場も下がってるから、もう1ペア買っていろいろ試してみようかしら。もちろん A-20 以外にこういう用途にもっと適していて高価ではないものがあるならそれに越したことはないが。簡単なのはメインでも使っているタンゴの NP-126 みたいなのに電流を流して OPT として使うことなのだが、ちょっと高いんだよね。以前使ってみた Edcor のは安いけど正直音が悪かったし。