アッテネータ

プリアンプの話。要するにバッファがないと出力インピーダンスが高いので、ボリュームを下げたときに内部抵抗がより高くなって減衰量が増えるということなのかしらね。減衰とノイズに関してはご説の通りバランス接続が有利なのは確かで、長いケーブルを引き回す SR 用途ではバランスがデフォルトだ。電圧についても、スタジオ機器だとアンバランスよりバランス出力の方がずっと電圧が高いのが普通だし。だから逆にスタジオ機器をホームユースで使おうとすればなんらかのアッテネータが必要になる。普通ケーブルに固定抵抗を仕込んじゃうみたいだけど。キャノンコネクタはでかいからそういう小細工もしやすい。

んで、「パワーアンプにしっかりしたアッテネータ」ということにヒントを得て、パワーアンプのボリュームを交換した。先日ソフトンのアッテネータを買って、プリのボリュームでも交換しようかと思っていたのだが、プリには既に東京光音の 2CP601 なんていうそれなりに高価な奴を使っていて、交換するのももったいないと考えていたところだった。

このソフトンのアッテネータは22接点のステップ型の固定抵抗切換型で、形はアルプスの青ボリュームと全く同じ。簡単にテスタで計ってみたところ、左右の連動誤差は事実上ない。能書きでは 1% 抵抗を使ってるらしいが、まあその通りの性能は発揮できているようだ。固定抵抗だからガリオームの心配もなしと。

パワーアンプに元々ついてたのはデテントではないアルプスの青ボリュームだったので、サイズの面では単に挿し替えるだけで余計な加工が必要ないのはラッキーだった。30kg 近い重さのアンプをラックから引きずり出して裏返すのがもっとも大変な作業だったくらいで。もともと配線の引き回しもアルプスに合わせて行われていたからそれをそのまま引き継げばよかったし。

音はというと、ボリュームの交換でここまで変わったのは初めての体験だ。元々割と入力ゲインの高いアンプで、ボリュームを全開にしていると使いにくくて仕方がないので多少ボリュームを絞って使っていたのだが、同じ音量で比べてみると、如何にボリュームで減衰していたかがわかる。高音がすっきり伸びて、ふいんき(←なぜか変換できない)が良く出るようになった。費用及び手間を考えれば大変な改善だ。これは気に入った。またこのアッテネータ買おう。