やっと完成

2A3 アンプがやっと完成した。一方のバイアス電圧が高すぎるトラブルの犯人はカップリングコンデンサの ASC X363 だった。ごく普通の自己バイアス回路なので、2A3 のグリッドはグリッド抵抗でアースと直結される。したがってアースとグリッドとの間の抵抗値はグリッド抵抗の値に一致するはず。しかしバイアス電圧が大きすぎる方の 2A3 のグリッドとアースの間の抵抗値はグリッド抵抗の値より遥かに低い。てことは何か余計な負荷がぶら下がってるわけである。で、グリッドにつながってるものといえばカップリングコンデンサしかないわけで、これを外したらグリッド-アース間の抵抗値はグリッド抵抗の値とぴたりと一致し、カップリングコンデンサを別のに換えたらバイアス電圧はぴたりと落ち着いた。オレが作ってる時に何かやらかしたのか、元から不良品だったのかは分からないが、こういうこともあるのだなあと。で、改めて完成披露。

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筐体に凹みがあって CD のジャケットを収納できるようになってるのだが、内部的にはこれのせいでシールド線が電源に近づいてしまう。なくてもいいギミックだ。ボリュームを一つにしたので穴が残ってしまってみっともないからダミーのボリュームをつけようか。2A3 を RCA のブラックプレートにしたので、6G6G と相似形になってなかなかかわいらしい。デザインは気に入った。少し腰高だけど愛嬌のあるルックスだと思う。

音はというと、ノイズはゼロではないが十分許容範囲。帯域のバランスもよく、どこも突出したところのない気持ちのいい音だ。低音が少し薄い気もするがこれからエージングで変わってくるだろう。作り応えも含めて、この値段からすると満足度は高い。

ま、トラブルのおかげで、自己バイアスの仕組みについてかなり学ぶことができた。回路図を見た時の理解度が上がった。いい勉強になったことであるよ。あとは念のためトラブルのあった側のカソード抵抗とパスコンを交換しておこう。