つまりだ

三極管シングル無帰還の音がいいというのはみんな分かってるわけである。ただ、基本的にパワーがとれない、特に低音の制動が悪いというのも分かってる。だから現代のアンプというのは、できるだけ NFB をかけず、バイポーラやら MOS-FET を使って三極管的特性でなおかつパワーがとれる方法を模索してるわけだ。デジタルアンプだってそうだ。

んでオレの持っているアンプだと、確かに 2A3 シングルはいい音だ。しかしいかんせんパワーが足りず、でかい音を出せばクリップするし低音もぼわぼわしてしまう。マッキンは明らかに NFB が深過ぎる。魅力的なところも多々あるが、ピアノの音などに不自然さを感じる。ダイナコもまた NFB が深過ぎる。オレは NFB 抵抗の價を増やして浅めにしているが、それは歪みやノイズとのトレードオフを考えて妥協して出した價で、ピアノで言えば左手が痩せてしまう。40年前にチャンネルあたり 35W を出そうとして設計されているから、縦令前段を近代的な回路に総取り換えしたところで、深い NFB で特性を稼ごうとした出力段の粗までは隠せない。NFB を浅くすると歪みやノイズが出てしまうわけである。

ので、オレとしては以前も書いたが Korsun の上位機種がいいのではないのかということと、もう一つは送信管シングルがいいのではないかということを考えている。結局自然な音を出すためには相当のスペックが必要なのであり、まともに勝負しようとすると数百万コースだから、自分の求めるものをどれだけ安く手に入れるかがオレのオーディオ人生の勝負所になる。というわけで様々な中国メーカーのサイトをめぐる日々なのである。