考え中

JBL D123 を eBay で買ってしまった。まだ届いてないんだけどね。送料込みで邦貨換算27,000円くらいだから、外観の状態があまり良くないユニットであるにしてもまあまあだろう。しかし物としての作りは、いかにも手作業であまり精度の高くない Lowther と JBL では比べるべくもない。にもかかわらず量産効果のおかげで、50年近く昔のユニットでも D123 はかなり安く買える。なんていうか、寄り道はするが結局 JBL に戻るんだよな俺は。

Lowther に不満があるわけではないが、何年か使ってるうちに他の音が聴きたくなった。特にもっと鷹揚な、たっぷりした感じの音が欲しくなったんである。D123 は12インチだが、D131 と比べるとあえて磁石を小さくして、やや能率を下げてエッジも柔らかくして、小さな箱でも低音が稼げる設計になっている。能率が低いといっても 98dB だから現代の水準から考えれば充分に高能率だ。この設計思想が80年代くらいまで引き継がれて、今でも売られてる業務用ウーファーには直系の子孫があるらしい。

そんなわけで箱を考えなきゃいけない。JBL のマニュアルによると 60 リットルくらいから使えるらしく、その場合バスレフポートは 53Hz という指定がある。この手の古いスピーカーの場合は 40Hz 以下は捨てて考えるのが利口で、一般的な音楽で低音と感じられるのは 80Hz から 200Hz くらいの話なので、ここらあたりが多少膨らんでるくらいのチューニングが適切なんじゃないかと。かつての JBL のドリアンくらいのサイズが適切かなあ。

上はせいぜい 10kHz までと考えるべきだろうが、となるとツイータとのクロスオーバー周波数も考慮しなきゃいけない。今使ってる Fostex T90A は推奨クロスオーバーが 7.5kHz 以上で、これはいかにも高い。それほどパワーを入れなければもっと下でも大丈夫だろうけど、そういう用途が考えられてない以上、音質的にあまり下まで使わない方がいいだろう。もっと下から出てるツイータに変えることを前提にした方が良さそうだ。

もう一つ、買ったのは16Ω仕様だけど、アンプも16Ω前提に配線を変えた方がいいのだろうか。一口に16Ωと言っても、帯域によってインピーダンスはまるで違うし、DCR も8Ωのユニットのせいぜい5割増しくらいだから、わざわざ変える必要もない気もする。これから新しくアンプを作るにしても、16Ωのタップを持ってないトランスが最近は多い。OTL なら16Ωの方がより適切だとは思うけど。

事程左様に、新しいスピーカーを入れるとなると考えることは多い。でも久々にテンションが上がっている。実際に作業出来るのは連休の時くらいになると思うけど、それまで色々計画を考えよう。