HLLY TAMP-20

TOPPING がなかなかよかったので調子に乗って、TA2020 を使ったD級アンプであるところの表題のアンプを買ってみた。eBay で、TOPPING よりは高くラステームよりは安いというくらいの値段だった。HLLY というメーカーは他にも TA2022 のアンプや、LM3886 の GainClone ぽいアンプを出してたりする、やはり中国のメーカーである。若干不安だったが、送金して5日でちゃんと届いた。

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筐体の造りは TOPPING の方が大分上だ。こっちは中国クオリティでネジ穴とパネルの穴が若干合ってなかったり、LED をへんなホットボンドで止めていて基板が外せなかったりする。TOPPING にはそんなことはない。ボリュームのつまみも若干安っぽいし、そもそもボリュームがBカーブじゃないかと疑われるくらいクリティカルで音量調節が難しい。しかし肝心の音は、TA2024 の TOPPING よりかなりいい。音場が広く、ゆったりと鳴る感じだ。音色もより自然である。TOPPING でも思ったんだが、PARC のウッドコーンは真空管よりもデジタルアンプの方が相性が良いのかもしれない。しばしば問題とされる電源投入時のポップノイズも、ゼロではないが全く気にならない。これは TOPPING でも同じだけど。TOPPING にしてもこれにしても、回路自体はトライパスの評価基板そのものに近いようだから、音が良いのはトライパスの力なのだろう。つまり TA2024 よりも TA2020 の方が音質的なメリットはあるということかな。ラステームよりもデザインが洒落ていて端子類がしっかりしている分お得な感じだ。使ってるコンデンサや抵抗も良いみたいだし。

こんな感じで中国製の安価なD級アンプを二つ続けて試したが、こういうバジェットオーディオの未来はほとんどデジタルICアンプにしかないというのが感想だ。小さくて発熱がほとんどなく、部品点数が少ないから安価にまとめられてしかも音がいい。回路をシンプルにできるのが効いているのだろう。こうなるとなおさら TA2022 アンプを作るのが楽しみになってきた。こういうものは自分で設計する技量がオレにはないので既製品や半完成品に頼るしかなく、純粋に趣味として考えると物足りないけど、自作真空管アンプに閉じこもってる身としては新鮮だし、評価基準が明確になったように思える。安価ではあるがよい経験をした。どっちも気に入ったから、TOPPING を職場に持ってって使おうかな。