電線

mixi 日記からのコピペおよび加筆修正だけど、mixi やってない人も多いと思うのでこちらにも転記。

気がつくとそれなりに電線に投資しているわけであり(もちろん所謂ハイエンドケーブルなるものを買うほど愚かでも金が余ってるのでもない)オーディオ機器の周囲を色とりどりのぶっとい電線が這い回っている。一時 Belden の安いケーブルで十分じゃないかと思ったこともあったが、結局 S/N 比の低さから、多少は出費しないと駄目だと思い直すようになった。ギターのシールドなんかだったらモガミの 2524 で十分すぎるんだけどね。

自作派には「電線で音が変わるわけはない」と言い切る人が多いが、違いがないわけではない。もちろん単純な理屈で考えれば、電線の抵抗値やキャパシタンスなんてのは、長々と引き回さない限り微々たるもので、それと機材のインピーダンスの兼合いがあるといったところでおそらく有意なものではない。にもかかわらず違いがあることの理由の説明は難しい。メーカーも色々と理屈はこねているけれど、結果は偶然の産物以上のものではないだろう。

オレの感覚では、ケーブルによる音の違いって「このケーブルにしたら激変!今までの音は何だったんだ!」みたいなものではなく、気がつくと「何か良くなってんじゃね?」というところだ。ノイズの多少についてはもっと明らかだけど、音質については僅かな差異の積み重ねが全体の底上げにつながるというか。こういう差異を言語化することは難しくて、なんとなくスムーズになったとして、「滑らかになった」という表現ではくくれないし、「深み」とか「奥行」を感じたとして、オレが感じたそれをそのような概念に置き換えて、それが普遍化できるかというとそうでもない気がするし。それはオーディオ全般にいえることだけど、電線については特にその傾向が強い。微細な差異の戯れ(笑)ってやつだ。

だからたとえば「この壁コンセントはこういう音だ」というような言説には頷けないが、「壁コンセントなどどれでも同じだ」という言い方にもやはり頷けない。違いがあるはずだという先入観に立脚して違いを見つけるのも不毛だけど、自分が理解できないものを全部オカルトで片づけるのも不毛だ。

という感じで WireWorld のスピーカーケーブル(Oasis 5.2)やデジタルケーブル(Gold Straight 5)、PS Audio のタップ(Juice Bar II)を買った言い訳をしてみるのであった。だって安売りしてたんだもん!