ヒーターの定電圧化

さて大筋がまとまってくると小さなことが気になるものであり、メイン機器のプリアンプのノイズが気になってきた。パワーアンプのゲインが高いので、フルテンにすると多少ヒーターハムっぽいものが聴こえるのである。このプリアンプを作ったころはあまり知識もなくて単なるブリッジ整流による直流点火が精一杯だったが、多少賢くなってくると三端子レギュレータによる定電圧化でさらなるヒーターハムの低減が可能であることに思い至ったわけである。

幸いなことにプリアンプの電源トランスでは 0-6.3V のタップが一つ余ってるので、直列にして 12.6V を作り、これを整流すると 16V 弱の電圧が得られ、7812 による12V出力も余裕である。そこで早速作業する。熱として消えてしまうのはせいぜい 1W だが念のために小さな放熱器をつけて、発振止めに 50V0.1uF のコンデンサを 7812 の足とグランドの間にくくり付けて、16V10000uF のコンデンサで受けて完成。出力は 11.93V なのでまあ誤差の範囲。

結果として残留ノイズはうちのミリボルでは 0.05mV と 0.08mV くらいの間で針がぴくぴく動いて正確に読み取れない程度に。実際に接続してみると劇的にノイズが減っている。今までだって測定値は 0.1mV くらいで実用に支障があるほどではなかったのだが、ほんとに静かになった。メインアンプの僅かなハムと熱雑音しか聞こえない。メインのボリュームを絞ったのと全開なのとで何も変わらない。あー、効くんだなあと改めて思う。

ほんとはフォノイコライザこそヒーターの定電圧化をすべきだが、残念ながら電源トランスの限界でロードロップ型レギュレータを使うとしても難しい。そもそも場所がない。最初からその辺を考慮した設計にすべきだったな。