OPT 換装

かっとなってやった。反省はしていない。

というわけで、SAC の OPT を買って、柒號機 45 シングルの OPT をこれに交換した。James とは全く大きさも違うので、前の取り付け穴が残ってしまってかっこ悪いが仕方がない。購入したのは S-505 という SAC の中では安価な小さいトランスで、12W というがどこで 12W か分からないし、大きさから言ってもタムラの F-475 あたりと同クラスと考えるとよかろう。

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単に取り換えるだけではなく、DCR が James よりだいぶ小さいのでそのままではB電圧が上がりすぎる。そこで平滑後の左右への分流抵抗を大きくして対応する。で、OPT の交換で全て問題が解決するかといえばそこまで甘くはなく、無帰還での高域の大きな盛り上がりも、負帰還をかけた上で微分補正をある程度かけると発振するのも同じ。これより前に初段のプレート抵抗を少し大きくして時定数を大きく取って対策したのだが、それでもある程度の改善しかなく、要するに回路に問題があるわけだ。しかしその程度が James よりだいぶ小さいことには着目すべきであり、まず初段の補正をなくし、入力の LPF も基準となる周波数を 100kHz くらいまで上げる。これで位相補正による発振はなくなった。手持ちのマイカコンデンサの容量ではまだ高域の山を平らにできないので、もう少し大きいのを後で買ってこないといけないが、これでなんとかなりそうである。

ちなみに SAC のトランスの音質はというと、これが素晴らしい。伸びやかで広がりがあって、歪み感が少ない。まだ回路を固定していないので詳細な測定はしていないが、聴感上は非常に優れている。高級な音だ。インダクタンスがおそらく James より小さい(その分損失も少ない)こともあってか低音がもりもり出るというタイプではない。作りはタンゴ等ほど手が込んだものではないが悪くはない。

これかなりオススメなのだが、20W クラスの製品だと、重くなって送料がかさむこともあって価格的アドバンテージがあまりない。タンゴの U-808 と XE20S の中間くらいの値段になってしまう。タイに旅行に行ったついでに買って担いで帰って来られるようなことでもあればお得だと思うのだが。