測定くん

急に測定モードに入って、ジャンクにするわよぅの発振器とミリボルとオシロを手に入れた。オシロはどうも動作が怪しいが、その他は使えるようだ。さらに歪率計は高くて買えないので、ソフトン善本さんのサイトを参考に、WaveSpectra を使って測定してみる。ちょうど手持ちのローランドのオーディオプロセッサが ASIO ならば 24/96 対応だったし。

で、肆號機 1626PP と伍號機 832APP を測定してみる。まず肆號機は、1KHz では 1.5W で THD=9.6% だからこのあたりでいっぱいいっぱい。0.5W なら 0.55% だからまずまずだろう。残留ノイズが 0.2mV、ゲインが 28dB、DF=4。周波数特性はというと、10Hz で -0.3dB だからほとんどフラット。上は 40KHz まではほぼフラットで 100kHz で -3dB と、相当立派なものである。電卓とデジマルだけで作ったアンプとしてはなかなかのものではないか。

で、気を良くして伍號機である。こちらも残留ノイズ、ゲイン、DF は肆號機とほぼ同じ。このへんは設計意図がちゃんと反映されているといえよう。歪率も 1KHz/1W で 0.26% だからまずまず。しかし出力を 2W に上げた途端 10% くらいに跳ね上がる。えええ?つまり突如クリップしてるわけだよ。周波数特性も、下は 10Hz までほぼフラットなのだが、20KHz で -1.5dB、40KHz では -5dB まで落ちてしまう。肆號機と比べると特性の悪さが一目瞭然だ。何かを間違っていると考えるのが自然だ。

しかし、前のエントリでも書いたように、聴感上はこのアンプかなりいいんである。もちろんオレがそれほど大音量派ではない上にスピーカーが Lowther だから、たぶん日常の使用条件では 0.1W くらいしか出てないために顎を出してないんだろうけど。だからといってこれでいいはずもない。いまの段階では初段が怪しい(無理に低電圧でゲインを稼ごうとしていることが)のではないかと思ってるが。

というわけで、アンプというのは難しい。聴感と数字はなかなか一致しないものだし、オレの経験と知識では設計段階でこのような結果を予測することは困難である。精進せよということだな。