SOVTEK 2A3

やっと PD-D6 の実物を見てきた。もう一回り小さいと言うことはないんだけど、なかなかよさそうだ。買えるとしても夏のボーナスだから、それまでにもっと選択の幅が広がっていればいいな、と。

で、アムトランスで一割引だったこともあって、SOVTEK の 2A3 を買ってきた。実際安価なのと、安価なキットに付属していることが多いこともあって、あんまりちゃんと評価されにくい球なんだが、一方でプレートの規模や内部構造がほとんど同社の 300B と同じなので、プレート耐圧、最大プレート損失は 2A3 の定格を遙かに上回ることもよく知られている。そこでこいつに高めの電圧と電流を食わせてみようと思い立ったわけである。

初號機の電源トランスやカソードに使える手持ちの抵抗の都合から、動作点は Ep=330V、Ip=62mA、Esg=-62V くらいになった。無信号時のプレート損失は従って約20W、Zp=5k で計算上 5.5W くらい取れるはず。ほとんど 300B の領域だな。ドライバ段は200Vp-p くらいは取れるので無問題。

実装してから数時間つけっぱなしにしているがもちろん全く問題は生じない。音はというと、低音に力があってたくましい、元気のある音でかなり好みだ。もしかしたら今まで使ったことのあるアメリカものの 2A3 より好きかもしれない。この音が出せる直熱三極管がペア6,000円台で買えるのだからお得である。843 だの KT90 だの 5881 だのと初號機では色々な球で実験したが、結局これに落ち着きそう。つまらない結果ではあるが、安くていい音という目的は達成できる。

露球は侮れない。以前 6N3C-E(SOVTEK 6L6WGB として売られているのと同じもの)を使ったこともあるが、これもスクリーンが若干弱いことを除けばとてもよろしかった。この球なんてペア3,000円しないで買えるんだよ。さて、発注してある GU50 が楽しみだ。