7AF7

7N7 に変更したプリアンプだが、これも元々はあんまり経験値が高くない時に適当に設計したものだからそのうち抜本的に定数などを見直したいものだと思わなくもない。もっと電流を流した方がいいんじゃないの?という示唆もあることだし。ただまあ、ややゲインが高すぎることを除けば特に不満もない。

で、ゲインで思い出したが、手持ちの 7AF7 は 7N7 に比べて若干 gm が小さくゲインが低い。使い勝手がよさげだからそのうち何か別のことにと使おうとも思うが、現状で差し迫って使い道があるわけでもなく、であるならプリアンプに試しても罰は当たるまい。ということで 7N7 と差替えてみる。ちなみに 7AF7 はかなりマイナーな球のようで、売っているところもあまり見かけない。ヒーター違いの 14AF7 の方が浅野勇氏の使用実績があるとかでメジャーかもしれない。

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見た目はロクタル管ってどれも同じようなんだけど、こっちの方が 7N7 よりゲッタの面積が広くて綺麗だ。これも RCA ブランドである。ヒーターが小さい分少しヒーター電圧が上がるが、7V にはまるで満たないので問題なし。ちなみにロクタル管に多い 7V というヒーター電圧は耐圧であって、典型動作例では 6.3V である。音はというと、かなり驚いた。R.E.M. の Automatic for the People AUTOMATIC FOR THE PEOPLEを聴いてみると、バンドの後から J. P. Jones のオーケストレーションによるストリングスが浮かび上がり全体を包み込む。こういう空間的表現が 7N7 や 6SN7 とまるで違う。バスドラやベースも明瞭で深く沈むし、生ギターのエッジがきちんと立っていて実に生っぽい。これはいいと今度はペルトの Lamentate Lamentate を聴いてみると、今までなんとなく違和感があったピアノの音がすんなり聴けるし、静かなパートの木管楽器などが空間に浮かんでいるイメージを感じることができる。

これは凄いですよ。7AF7 という球が優秀なのか、7AF7 を使った時のこのプリアンプの動作点とオレの好みの音がたまたま合致したのかよくわからないけど、「こうあればいいなあ」と思っていたことがかなり解決してしまった。

こういうことがあるから自作や真空管は面白いね。自分でも予想できない驚きに溢れている。