プリアンプちょっと変更

仕事の合間にふと思い立って、プリアンプを 7N7 に変更した。これはもともと 6SN7 の一段増幅+カソードフォロワという構成だったのだが、初段とカソードフォロワ段の間にコンデンサが入っているので、カソード電圧がさほど高くない。で、ヒーター・カソード間電圧に余裕のある 6SN7 は今考えている他の直結回路で活躍してもらうことにして(なにしろまともな 6SN7 は高いので、新しく買うよりは手持ちの使い回しを選択せざるを得ない)こちらは 7N7 で十分だろうという計算である。もちろん随分前から死蔵している 7N7 を使ってみたいという話でもある。

7N7 の他に、同じような球として 7AF7 も持っているが、こちらはヒーターが小さい分使い勝手がいいので他で活躍してもらう機会もあろうと考え、ここでは 7N7 を採用する。7N7 は要するにロクタルの 6SN7 だから、ソケットさえ変えればあとは定数なんかは同じでいい。普通に 6SN7 の代わりに使おうという場合に注意すべきなのは、先に述べたヒーター・カソード間の耐圧のみである。6SN7 の 200V に対して 7N7 は 90V しかないから、パワーアンプの前段などによくある二段直結回路に使おうとすると痛い目に遭いかねない。で、早速作業する。

f:id:mandana:20070108010135j:image

使ったのは RCA の 7N7 で、所謂ブラックプレートであるから音もよかろうという計算もあった。ロクタルって RCA を敵に回した規格だから普及しなかったという話を聞いたことがあるが、こういう風にちゃんと RCA ブランドのものがあるのが面白い。作ってるのは RCA じゃないんだろうが。各部電圧を測ってみると、若干 6SN7 よりも流れる電流が小さいようで、その分少しだけプレート電圧が高くなるが、許容範囲である。ヒーター・カソード間の絶縁破壊によるノイズも出ない。音はというと、むしろ今まで使っていた RCA の赤ロゴブラックプレートの 6SN7GT よりもローノイズかつレンジが広くて具合がいい。

というわけで貧乏自作派には 7N7 はお薦めである。同じ RCA ブランドで比べても数分の一の価格でむしろ音がいいくらいなんだから。問題はソケットが高価かつ入手がやや困難な点であろうか。オレは AES で他の買い物をした際に一緒にまとめ買いしたので、オクタルで愛用している Belton のソケットとほぼ同じ価格で買えたが、国内では売ってても1,000円以上したりする。下手すると球より高い。このあたりは少数派の悲哀であろうか。