參號機クリティカルリスニング?

というわけで參號機もぼちぼち各部が馴染んだところで、メインシステムでじっくり聴いてみた。

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最初の印象では、しまった參號機の方が弐號機よりいいかも、とも思えたが、ゆっくり比較してみると力感や厚みはやはり弐號機に軍配が上がる。參號機は低音が出ていないというわけではないが、やや重心が上寄りになる。その分爽やかさというかすっきり系方面では勝っている。これはある程度意図した方向であって、そういう違いがなかったらアンプを作る意味なんかないもんな。バランスだけとってみたら參號機の方がいいともいえる。弐號機は Lowther を鳴らすために中低域を重視して、比較的多めの電流を流したパワー管ドライブで作ったわけだし、時定数の兼ね合いはあるが段間コンデンサを大きくしている。一方參號機は三極管の直結で増幅しているし、段間コンデンサもちょっとだけ控え目。Lowther につないででかい音でぶち鳴らしてみると両者の個性は割とはっきりする。オレにも設計意図を音に多少は反映させられるくらいの能力はあるということか。

で、サブ機として考えると、初號機 45 シングルは參號機に比べて甘くて緩い。気に入っている初號機だが、もうちょっと締まった感じが欲しかったので、參號機は少しだけ多めに負帰還をかけて(初號機は出力段は無帰還である)かつゲインが高く、出力段の負荷も高い。が、コンパクトにまとまっていてバランスがいい初號機にも捨てがたい味がある。

期せずして代表的な直熱三極管が並んでしまったわけだが、こうやって三段増幅のシングルアンプばっかりっていうのも我ながらどうかと思えてきた。そろそろそれこそ 6BX7 とかのコンパクトな PP に挑戦するべきか。でももう一つだけシングルアンプのネタがあるんだよなあ……。