zero/ a martin hannett story 1977-1991
Martin Hannett のプロデュースしたバンドのコンピレーション。U2 や New Order、Magazine、OMD に Happy Mondays、もちろん JD といったところからよく知らないバンドまで21曲。没後15年企画、という感じなんだろうか。明らかに紙一重の向こう側にいる天才なんだが、考えてみればオレがプロデューサーという存在を明確に意識したのはこの人が初めてなんであって、たとえば Section25 みたいなB級バンドも Martin のプロデュースということで聴いてたわけだよなあ。Police や XTC とはまた違ったアプローチのダブがあり、水槽の中で叩いてるような独特のスネアあり、この音がオレの奥深いところで生きている。テープエコーやアナログリバーブに弱いのは絶対その所為だ。
こういうものをローティーンの時に聴いてしまったこと(KRAFTWERK やジャーマンプログレも含めて)が、オレをして音楽と「音」とを不可分のものとして常に意識させているのかもしれない。こんなことを言うと怒られるかもしれないけれど、ECM New Series に共通する音の陰翳は、Martin の紡ぎ出す音の陰翳とさほど遠くないようにオレには思えるのだ。