中途半端

オーディオを「趣味」にするってどういうことなんだろうか、と思うことがある。

実際のところ、オレは決して高給取りではないただの勤め人としての収入しかない上に家族も養わなければならないし住宅ローンもあるしで、オーディオに割ける金額など本当にたかが知れている。ケーブルだけで何十万円なんてのはどこか違う惑星の話みたいだ。都会に住んでいる以上余程悪いことでもしてない限り専用のオーディオルームなど望むべくもない。オレが機器を置いて音楽を聞いてるのは7畳半の仕事部屋で、縦長の上に荷物も多くておよそオーディオルームとしての要件は具えていない。オーディオ趣味のサイトにありがちな部屋の全景写真がないのは、到底人様に見せられるような部屋ではないからだ。

じゃあ身の丈に合った趣味として自作なんかも考えられるけど、残念ながらオレには自作ができるほどの知識も技術もない。それをちゃんと積み上げるだけの情熱もない。結局やってることは、安物をちまちま買い込んで、まことに怪しい知識でいじり回してるだけだ。「音」そのものに対する感覚が鋭敏だということもなければ、音楽に関して何かを語りうるだけの蓄積があるわけでもない。

そんなものが趣味と呼びうるのかといえばまったくもって怪しい。考えてみればオレには何かをちゃんとできると胸を張れることが何もない。まったくなにをやってるんだろうね。