何を聴いておるのか

このページではわざと聴いてる音楽のことにはほとんど触れてないんだけど、ちょっと気が変わったので。前段でアナログのことを書いたが、最近アナログでなぜかよく聴いてるのは Morissey の Viva Hate。ヴィニ・ライリーがギターを弾いてたりするアルバム。それから And Also The Trees の Virus MeadowFarewell to the Shade、The Mission の Gods Own Medicine とか。冒頭の I still believe in God, but God no longer believes in me. というナレーションが泣ける。

CD ではこれもなぜか Everything But The Girl の再評価が自分の中で進んでいてヘビーローテーション。トレーシー・ソーンとベン・ワットというイギリスを代表するブサイク二人組がオシャレ音楽でチャートを制覇するなんて思いもよらなかったわけだが、セールス的に最強だった The Language of Life なんてのは、レコーディングメンバーの豪華さ (ジョー・サンプルラッセル・フェランテ、スタン・ゲッツまでいる!) を別にしたって本当によくできたポップスだ。録音も素晴らしい。初期の作品は所謂ネオ・アコースティックというカテゴリにくくられがちだが、曲のできがそこらへんのバンドとはまるで違う。個人的には、カバー中心のその名も Acoustic というアルバムが、トレーシー・ソーンのソロ作 The Distant Shore を彷彿とさせて好きだが。

オレは70年代後半~90年代初頭くらいのイギリスのロックに偏った好みをしているが、このあたりは録音がいいアルバムが多い。どかどかした黒人音楽に毒されたアメリカやさらにそれに汚染された日本の録音とは異なり、バランスがよくてややウエットな空気をたっぷり含んでいる。イギリスは比較的後まで STUDER や NAGRA のデッキを使ったアナログ録音が中心だったこともあって、縦令電子楽器を多く使った音楽でも自然なんだよね。オーディオ的にも興味深いアルバムが多いよ。あ、Factory 系の録音はまったくダメだけどね。