Bottlehead Foreplay

昨日プリアンプがどうとか書いたばかりだが、2ヶ月以上前に頼んでいた Bottlehead というキットメーカーの Foreplay というプリアンプが届いた。アメリカでは大変な低価格とそれに似あわぬクオリティを持つということで非常に人気があるようで、日本でも最近限定で売られていたりもした。

なにしろ定価$149、送料込みでも邦貨換算2万円程度というびっくり価格なので、ダメでも大して痛くないという気持ちで注文したっきり忘れていたんである。なにしろ注文してから最低6週間かかるとかで、結局9週間ぐらいかかってようやく届いたのだった。

12AU7 をチャンネルあたり1本ずつ使ったカソードフォロワのラインアンプで、入力三系統と出力一系統、チャンネルごとに独立したボリュームコントロールを持つという構成。アルミの板に回路を組んで、それを木の箱に乗っけるという形なので、木の箱をいろいろ飾ることで見た目にもこだわることができるというのだが、まあ写真を見ての通りあまり格好のいいアンプではない。ただ、左右対称の構成、回路の長さを最小限にとどめた構造にはこだわりが伺える。かっこ悪いのは致し方のないところか。

てなわけであまり期待しないで作り始め、単純なんで簡単に作り終わり、早速聴いてみた。回路はストックのままで、ベルデンの電源ケーブル、ちょっと大きめの金メッキ端子、コスモスのボリュームといったパーツを使った。付属の球は Sylvania で決して悪くないが、手持ちのムラード CV4003 を挿して。こんな感じで。机の上が汚いのは見なかったことにして。

アメリカのレビューを読むと Conrad Johnson よりいいとか Rogue よりいいとか書いてあって、さすがにそれはないだろうと思っていたが、いや侮れない。ていうか相当いい。昨日書いたサンバレーの SV-3 に比べると、さすがアメリカで豪快で開放的な方向。ちょっとゲインが高めなのかな。元気がいい。ノイズは全くないし、空間的な広がりや余韻もよく表現する。ダイナコとの相性は抜群に良く、このプリアンプとダイナコ ST-70 の組み合わせが多い理由が理解できる。いやはやこの価格でこれとは。アメリカで熱狂的な支持者が多いのも分かる気がする。同じ会社のフォノアンプキットにも興味が湧いてきた。とにかくしばらく使ってみよう。