ここんとこ

ずっと掛かりっ切りになってた仕事を完徹の連続でようやく終えたら、大分前に注文したっきりうんともすんとも言ってこなかったフォノイコライザーが届いた。ものは GSP gram amp2 というもので、送料込みで110ポンドだから2万円くらいの安物だ。インクジェットプリンタで印刷したらしい紙っぺら一枚のマニュアルには「エージングには1ヶ月かかるぞ」とか「まともに聴くんなら最低1時間は先に通電しとけよ」とか「いいインタコ使えよ」とか安物とも思えない豪快な主張が。筐体はプラスチックであっけないくらい軽く安っぽいのだが、音はというとこれはすごい。エージング前のまっさらの状態にもかかわらず、サウンドステージは広くダイナミックレンジは広く歪みはなくS/N比は高く、今まで経験したフォノイコライザーの中でいちばんいい。こなれてきたらどれだけ成長するのか楽しみだ。

いい加減でコストはかかってないが洒落た外観、優れた内容、安物でもしっかり主張がある。いかにもおたくが作ったという製品で、イギリス人らしい。こういう力のいれどころというのが日本のメーカーには分かってないんだよなあ。ヨーロッパのオーディオ製品に優れたものが多いのはやっぱりおたくが作ってるからで、リーマンがいやいや設計してる日本の大手メーカーとは違う。もちろん日本でも小さなメーカーには主張のはっきりしたところも多いんだけど。

とにかくこれはいい買い物だった。もとはといえばクリークのを注文したら生産中止だというので、ショップが勧めるこれを不見転で注文したんだけど当たりだった。恐らく日本人でこれをもってる奴はほとんどいないだろうというのが楽しい。てなわけで。