112A→71A

気に入って使っている 112A ヘッドフォンアンプだが、やはりスピーカーを鳴らせないのはもったいない。しかし 112A でスピーカーを鳴らせるようにするのはパワーの点でもインピーダンスの点でも面倒なので、いっそ出力管を 71A に変えてしまおうと考えた。これならフィラメントの定格も同じだし、電圧や電流をいじれば使えると見込んだのである。

そこで前段はそのままで出力段のカソード抵抗を変更し、電圧降下のための抵抗を変更してなんとか 71A が使えるように改造し、スピーカー端子を増設してヘッドフォンと切り替えられるようにした。また出力段の負荷を5kに変更。回路図を作らずに勢いでやってしまったので画像はなし。だいたい出力管が Ep=150V、Ip=15mA くらいになる。その上で測定してみると、最大出力は 0.7W も出る。おそらくカソードフォロワ直結なのでグリッドがプラスの領域まで踏み込んでいるのだろう。それよりびっくりしたのが春日の小さな OPT (KA-5730) の優秀さで、小出力域なら 40Hz まで十分に低歪で出力できる。音も爽やかでかつ低域の量感も十分で、安価で小さなトランスとしては本当に素晴らしい。

というわけで省エネで音のいいこのアンプ、常用に決定。71A ならストックもあるしね。