808 アンプのドライバを変更

メインに鎮座している 808 アンプだが、ちょうどシンバルの音あたりの帯域がうるさいというか有り体にいって歪みっぽく感じられる。試しに 45 シングルを Lowther につないでみるとそういうところはないわけで、これはこのアンプに特有の欠点だといえる。

そこで 808 の動作点の見直しも含めてドライバの変更を考えた。ダイナミックカップルはドライバの性格がよく出るらしく、もしかしたら 6CK4 がいまいちなのかもしれない。というわけで、シングルアンプの出力管として好印象を持っている 5881 と 6CA7 を試してみた。もちろん 808 のグリッド電圧と電流に合わせてドライバの動作点も大きく変わる。まず 5881 だが、帯域、出力ともに 6CK4 とほとんど変わらない。次に 6CA7 にしてみると、1W1kHz での歪みが半分以下になる。これはいけるかもしらん、と出力を上げていくと、THD=5% で 11W に届くようになった。これで 808 のプレート損失は 5% くらい増えているが、6CA7 だとうまくバランスするようだ。

音を出してみると、今までのガチャガチャした感じがかなり影を潜めて、厚みや温かさが感じられる音になった。大成功である。これなら、最初にこのスピーカーの箱を作ってもらった時、工房で 805 アンプで聴かせてもらった音にかなり近い。考えてみればこのアンプ、当初ドライバを 6CA7 で計画していたのが、精々 6W か 7W のプレート損失では 6CA7 がもったいなくて 6CK4 に変更したのだった。最初から 6CA7 にしておけばよかったという話である。