ハセヒロのイベントに行ってきた

ちょうど子供の学校の関係で出かける用事があったので、帰りに日本橋まで足を伸ばしてハセヒロの試聴会に行ってきた。ハセヒロのバックロード自体より、件のウッドコーンの音を聴けるいい機会だと思ったからである。

うまいことにオレが予約している 10cm ユニットが、小型とトールボーイの二種類の箱に入って置かれていた。集まっていた人たちの関心もウッドコーンにある程度集まっていたのか、いろいろなソースでその音を聴くことができたが、なるほどなかなかのユニットであると思った反面、箱によって鳴り方が違いすぎて判断が難しかったのも確か。トールボーイに入れたものは豊かな低音と上半身のバランスがよくて聴きやすい音であったが、小さい箱の方はどうも上下がばらばらというか、正直低音がやや破綻していたし歪みっぽくも感じられた。あの小さな箱で、300B シングルで大音量というのは無理だったのかもしれない。システム全体の実効能率はどうしても箱の大きさに依存するところが大きいからな。もっと小さい音でニアフィールドで聴いたら評価も違うだろう。それでも、トールボーイの音が実力であるとするならば相当のものである。なかなかに落ち着いた音色でちょっと高級な感じがした。少なくとも Fostex の F200A よりいいと思えた。

しかし、一番大きなトールボーイが鳴らされたときに、それまでの印象はすっかりすっ飛んでしまった。装着されていたのは一見 Lowther 風のダブルコーンとフェーズプラグを具えたユニットなのだが、その音は雄大かつ繊細で粗が全くない。こんな音は聴いたことがない。びっくりして尋ねてみたら、これが有名な Feastrex である由。名前は聞いたことがあるが、意識して実物を見たのは初めてだ。こんなすげえ音がするなら是非欲しいものだと思ったが、値段を知ってシオシオのパー。12cm フルレンジがユニットだけでペア30万近いってのはあんまりだ。WE の 755A が買えちゃうっちゅうねん。まあ、Lowther みたいなユニットを日本の手工芸で作るとこれくらいになってしまうということなのかな。ビンボー人は Lowther で我慢するんだもんね。

なんにせよ、ウッドコーンも実物を確認出来た上、期せずして貴重な体験をしてしまった。Feastrex、専用箱で追い込んだらどんな音になるんだろうな、と縁なき衆生は妄想するしかないのであった。