東栄 OPT-10S ふたたび

さて、SOVTEK の 2A3 にしてなかなか快調な初號機(改)だが、ちょっと検証してみると現在の動作点で負荷が5kというのはあまり効率的ではなく、カットオフ点近辺まで振り切れていない。これを3.5kにするとちょうどよさげな感じなのだが、ハモンド 125ESE では3.5kという負荷は取れない。そこで、3.5k負荷を実現するトランスとして東栄のOPT-10S を引っ張り出してきた。以前あまりの高音の出なさにお蔵入りになっていたものである。まあ大した手間でもなし、ほとんど期待せずに OPT を換装してみたのだが、ちょっと驚いた。

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以前別のアンプでこれを使った時の明らかに上が落ちてる感じがしなくて、むしろ 125ESE より伸びているようにすら聞こえる。実際、125ESE を使っていた時には聞こえなかった効果音めいたエフェクトや何かが聞き取れる。透明感や情報量という点でなかなかである。要は使い方次第であって、ある条件で駄目であったものが常に駄目なわけでもないということが分かった。しかし、東栄や春日の安物トランスってある種のツボを心得てる気がするんだよなあ。高級品みたいに特性は追究できないけど美味しいところをうまく出してくるというか。負荷や重畳電流の条件が合うならば、この手の安いトランスで遊ぶのは楽しい。