キモチワルイ

ちょっと興味のある製作記事が掲載されていたので、図書館でラジオ技術の3月号を借りてきた。記事そのものも結局当座の役に立つものではなかったので、大枚1500円を払わず図書館で借りてきたのは正解だったのだが、パラパラと眺めていて、文字通り吐きそうになった。

なんというか、オレが年配のオーディオマニア、特に自作系に感じている気持ち悪さが凝縮された雑誌というか。新氏や長島氏の製作記事はまともである。回路の評価はオレには出来ないが、少なくとも文章も感覚もノーマルである。しかしそれ以外の箇所、特にNS-1000M の改造記事、ウエストリバーアンプの記事、あるいは新盤紹介記事などは、時代にも潮流にも取り残された老人の繰り言でしかない。年を取っているから悪いのではなく、周囲が見えておらず独善的であることをもって「老人」と表現しているのだが。ちょうどこの号には伊藤喜多男氏の製作記事が復刻されているが、35年前に当時60歳を超えていた伊藤氏が当時のオーディオに苦言を呈しているのと同じことを、その文章の格調も確固たる思想もなく繰り返しているに過ぎない。

これではこの雑誌がもはやミニコミ程度の部数しか確保できていないのもむべなるかな、である。久々にキモチワルイものを読んだ。