弐號機改変

音が気に入らないとかなんとかいう以前に、入手困難かつ高価な球を使うことに対する心理的抵抗が大きすぎて寝かせてあった弐號機 300B シングルだが、やっぱりもったいないのでもっと気軽に使えるように改変することにした。

三段構成かつパワー管ドライブという基本構成はそのままにして、まずドライバを考える。手持ちの球を眺めてみるに、単独で使うには力不足に思えて放置されていた 1626/ VT-137 がある。これが使えないかと思ってざっとロードラインを引いてみると 300B をドライブするくらいの電圧は軽くひねり出せる。ということでドライバは 1626 に決定。1626 はいまひとつμが低いので初段で多めにゲインを稼がなければならないから初段の候補はおのずと限られるが、五極管を使って PG 帰還でゲインを調整するか高いμの三極管を使うか。ここはオール三極管にしようと 12F5GT を用いる。1626 のヒーター電圧が 12.6V だからちょうどいい。何でこんなものを持っているのか自分でもよく分からないが適切な球の手持ちがあったものだ。なにしろ初段とドライバ4本合わせて2,000円くらいなもんである。さらに全体の電流が今までより少し減ったので、整流管にはお気に入りの 5V4G を使うことにする。

これでオーバーオールのゲインが 29dB くらいだから軽く NFB をかけてちょうどいいところなはずである。回路図はこちら。しかし実際に音を出してみるとややゲインが高すぎる感じなので、もうちょっと帰還量を増やしてもいいかな。カップリングコンデンサが二ヶ所にカソードのパスコンが三ヶ所あるが、経験上 6dB くらいの NFB なら問題がないはずだし。

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で、音はというとなかなかいい感じである。欲しい要素のバランスが結構うまく取れている。やっぱりこれくらい低音がどすんと来て欲しいし、スケール感もあって然るべきだ。2A3 シングルではちょっと寂しかった点である。というわけでまた弐號機がメインに座ることとなった。