ダイナコをメインで聴いてみた

EL156 の採用と整流管方式への変更によってサブでは非常にいい感じで鳴るようになったダイナコだが、メインで鳴らすとどうなるかじっくり聴いてみた。

が、ほとんどの部分で MeiXing の 805 アンプに軽く蹴散らされてしまった。ダイナコは低音が軽く、また全体に軽くマスクがかかったような音で、弦楽器のスリリングさなどが出てこない。唯一音場の左右方向の広さだけは負けていないが、ディテールの表現があまり繊細ではないので、空気の質感みたいなものは見えてこない。

やっぱりこのアンプはブックシェルフのスピーカーで軽く鳴らすのが合ってるみたいだ。甘めのあっさりした音でバランスがいいから、欲張らずにニアフィールドで聴くような用途にはぴったり。逆に、805 アンプは今まで色んなアンプと聴き比べてきたけど、結構な実力なのではないかと最近になってようやく思えてくるようになった。安物ではあるけれど 30kg 近い物量は伊達ではないということか。付属していた球は正直なところウンコだったので、あの球でレビューされているならあまり高い評価は得られないかもしれないけれど、Mullard ECC82/ECC83、Sylvania 6L6GC、RCA 805 という組み合わせでは品位とか奥行とか沈み込む感じとかがまるで別物である。8万のアンプに球だけで5万かけるのがどうかという話はあるけど。

一応最後の挑戦者は仕込んである。それが MeiXing に勝てなければメインのパワーアンプはもう考えない。ダイナコには勝ちそうな予感があるが。