845B

SV-2 が戻ってきた。ボリュームをパスして、シールド線の引き回しをなくすことでノイズを軽減するという目的だったのだが、所期の目的はほぼ達成された。こういう面倒を気軽に引き受けてくれる大橋さんがいるからサンバレーのアンプを買う意味があるわけである。

で、この SV-2 のためにこういう球を買ってみた。曙光の新作845B。なんでも40年代の Amperex の構造を手本にして作ったそうで、プレート上部のマイカがなく、かわりに真鍮の太い支柱でプレートが支えられている。コッパーベースと分厚いガラスが相まって、普通の曙光の 845 よりかなり重い。

音はまだそれほど時間が経っていないのでなんともいえないが、太くてスイートな傾向である。骨格がしっかりして地に足がついた音という感じだろうか。残念ながら Cetron や現行の KR といった高価な 845 の音を聴いたことがないので比較できないけれど、ペア150ドルでこの作りとこの音の球が買えてしまうというのはとんでもないことではないだろうか。最近の曙光球では、チタンコーティング・メッシュプレートの 300B を愛用してるが、これもがっちりした作りとスイートな音の球で素晴らしい。これも150ドルくらいだったかな。

この 845B を売っているのは SuperTNT という中国国内のディーラーで、オンラインショッピングカートの挙動にはまだ不安定なところはあるが、梱包や球のテストはとてもしっかりしていて、真面目に売ろうという気概が感じられる。こうやって新作が続々登場して選択肢が増えるのはよいことだし、今までどうも品質に不安が残った中国製真空管が、Full Music の登場辺りから音も品質も信用できるものになってきたのは大きい。長期的な耐久性はまったく分からないが、真空管なんてものは本来ある程度使ったら新品と交換する性質のもので、こういう安価でちゃんとした球が潤沢に供給されるのであれば、あまり気にする問題ではないのかもしれない。

ということで 845B の雄姿。