Mercury M160RM

呆れたというか驚いたというか複雑な気分というか。春先にセールで思わず衝動買いした Mercury Speakers の M160RM という 16cm 同軸ユニットがずっと転がっていて、何か作ろうと思いつつずっとそのままになっていたのを、ようやく重い腰を上げて箱に押し込んだわけである。自分で設計するのも面倒だったので、Woodwill という店の専用エンクロージャキットを買って組み立てただけ。安い箱だが極めて工作精度が高く強度も抜群で簡単にできた。

それで音を出したわけだが、これが物凄いのだ。まだ新しいせいか多少高音がしゃりつくが、この小さなユニットがスケール感たっぷりに鳴るんである。特にヴォーカルやドラムのリアルさが素晴らしい。思ったよりマイルドな音で、弦もまあまあいける。現代ユニットだから歪みもなくクリアでワイドレンジ。同軸だけに定位もばっちりで、音の空間的高さがちゃんとわかる。バスドラはちゃんと地面の近くでドスンといってる。

所詮20リットルの箱なので低音の量自体はそれほど出ていないが、素性のよさは明らかなので、たとえばバックロードホーンみたいなので低音を増強してやれば「ここをもっとこうしたい」という部分はないかも。単にオレの好みだということなのだが、それにしてもセールでペア10000円で買ったユニットをオプション込みでこれも10000円くらいの箱に入れただけのスピーカーからこんな音がすると、オーディオってなんだろうという疑問が改めて湧いてくる。

何も期待しないで作ったので仕上も何もしていないが、ちゃんと塗装してやろうかなあ。

とりあえず現状はこんな感じ。