魔術的瞬間

デンマークのスピーカーメーカーである DALI のキャッチフレーズは Magic Moment なのだそうだ (デンマークのスピーカーについては一つ書くべきことがあるのだが後日)。オレは DALI の音をまともに聴いたことがないのでふーんそうか、てなもんだが、オーディオと格闘してると確かに magic moment と呼びたくなる瞬間に出会うことがある。

今のシステムを散々音が荒いとかハイファイじゃないとか書いてきたが、気がつくと荒さが気にならず、JBL らしい軽快な明るい音ながら同時に深みや柔らかさが出てきている。何をしたわけじゃなくて、笛吹童子の球に換えたあとだってしばらくは荒さは残っていて、でも今は明らかにオレが頭を悩ませていた音とは違う音が出ている。

以前にもそういうことがあって、なんだか詰まったような音に悩まされていたダイナコが突然バランスのとれた柔らかい音で鳴り始めて驚いたりもした。今もそのダイナコはサブシステムで柔らかい音を奏で続けている。

オーディオなんてものは電気信号が増幅されて最終的に振動に変換されたものを聴覚が知覚しているだけのもので、こっちの願いが通じたり気持を汲んでくれるわけでは毛頭ない。エージングとかバーンインとかいうが、今のシステムは CDP 以外は中古どころか太古品であって、むしろ劣化に向かって一直線という状態だ。エージングもへったくれもあるかい。

まあそんなわけでよく分からないながら結構いい感じになってきた。あとはプリがたまに変な高周波ノイズを出すことがあるのを、原因を突き止めて抑え込まなければならない。それで何ヶ月かはもつんじゃないか (我ながら気弱な予想だ)。