またまた電線

以前ヤフオクで購入した Belden 88760 とかいう線材を使った RCA ケーブルがなかなかよかったので、自分でも作って試してみることにした。使った線材は 8412 という二芯シールド線で、マイクケーブルなどに使われるものらしい。これとノイトリックのプラグで、どっかのショップの定番と同じだ (笑)。

二芯シールド線を RCA ケーブルに使う場合には、シールドとアースをどうするかが問題になる。調べてみるといくつか流儀があるようでこれといって決まっていないらしい。確認できたやり方は

  • 二芯のうち一方だけを信号線に使ってもう一方は使わず、シールドをアースに使う。
  • 二芯のうち一方を信号に、もう一方をアースに使い、シールドとアース側の芯線を一緒にプラグのマイナス側に接続する。
  • 二芯のうち一方を信号に、もう一方をアースに使い、シールドは無視して切り落とす。

という三通りである。さらに片方だけをアースに落としてケーブルに方向性を持たせるという流派もあるらしい。

ここでは三番目のやり方を採用した。単にせっかくの二芯だから活用しようというだけの理由である。方針が決まればちゃっちゃと作業。多少半田付けが汚くてもプラグのケースに隠れるから平気。で、完成品。

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煙草はよくある大きさの比較のための基準である。見た目はまったく件のショップのものと同じだ。最近のごっつい電線からするとやや細い。で、早速使ってみることにする。ノイズが心配なので、ためしに最もノイズにクリティカルな用途と思われる MC トランスとフォノイコライザの間に接続した(ターンテーブルと MC トランスの間の電線はターンテーブル直付けなので交換できない)。音を出してみると全くノイズを拾うことはないし接続も安定しているので失敗はしなかったようだ。音質は輪郭がはっきりして定位がいいように思える。なるほど、これはこれで何の問題もないではないか。これで 1m ペアにかかった費用は1,520円である。費用対効果は抜群だ。

何十万円かする PAD のケーブルの皮をひんむいてみたら中身が Belden だったという笑い話もあるが、僅かな差異と戯れるのに疲れたらこういうのもありだと思う。なにより、使っている機材の自作率が上がるのはなんとなくいい気分である。