悪い癖

何かにはまると一気にそっちに突っ込んでしまうのがオレの悪い癖で、今年はそれが自作だった。持っていた機材やケーブルを相当売り払ってその分を自作のためのパーツや球に突っ込んだわけだが、気がつくと似たようなアンプを何台も作ってるんだよね。必要性を考えれば明らかに過剰だし、好みの音というのもあるから、最初は色々考えて作っても手直しをしているうちにどれも同じような構成で似たような音を出すものになってしまう。出力管の数だけアンプを作るという悪いパターンにはまりこんでいる。

というわけでもっと構想というか妄想期間を長くして、頭の中で熟成させてから作ることを目標にしよう。そうすれば勢いにまかせて似たようなアンプを大量生産してしまう愚を犯さずに済むのではないか。そもそもオレの知識や技量はとても限られているのだから、現状のままで次のアンプを作ってもまた似たようなものができてしまう。

ただまあ、雑誌に製作記事を書くような人であれば、いつも同じようなものではまずいから、様々なタイプの、できれば新奇な球を使ったアンプを様々な回路で作る必然性はあろう。読者の使うスピーカーや聴く音楽はそれぞれ十人十色なのだから、いろいろなヴァリエーションを提供することは義務ともいえる(佐久間氏みたいに全く独自の地位を築いている人は別だろうが)。しかしこちとら所詮単なるへたっぴなアマチュアであり、自分で使う必然性のないものを作ってもしょうがない。オレでいえば大出力のプッシュプルアンプなんてものは全く必要がない。出力は別としてもプッシュプルならではの音というのはあるだろうから試してみようかと思わないでもないが、まあそのあたりも含めてちょっとクールダウンしてゆっくり考えよう。

とりあえず Scott Nixon の DAC はそれほど高くないこともあるし試しに作ってみるつもりではあるが、あんなもんは自作のうちにも入らないだろ。……なんてことを書いていたら、參號機が突然異音を発した。それっきり何もなかったように動いてるがちょっと気になる。ちょっと時間がないので明後日の夜にでも中を見てみよう。