ものづくりコンテスト

サンバレーのものづくりコンテストの選考会に行って来た。正直素人の自作スピーカーはどうでもいいのだが (実際結構苦痛だった) 新製品の試聴があったので。SV-91B、SV-2 (2003 ver.)、SV-63 の三台。オレはこの中では SV-63 がだんとつで良かった。もっとも SV-2 が一番よかったという人もいたし、SV-2 を予約してたのに実際に音を聴いて SV-91B にくら替えした人もいたりしたみたいなので、こればっかりは好みとしか言いようがないのだが、オレにとっては適度な甘さとパワー感が同居してる SV-63 がクリティカルヒットだったな。これだけが傍熱管 PP だというのもあるんだろうが。実は消費電力も 350W くらいらしいとか、トランスがすごく余裕があってまるで熱くならないとかいった実用的な面での収穫もあった。だが、子持ちの勤め人には20万が既に非常に厳しいし、今の中国製805シングルをすぐに買い替えたいほど気に入ってないかというと全然そんなこともないしで、買えるとしても2年くらい先の話かなあ。それまでディスコンにしないで欲しいものだ。大橋さんには「いつ中国オーディオから足を洗うのか」とか責められるし (笑)。

あと、素人の自作はどうでもいいと書いたが、課題ユニットである SA/F80AMG は非常にいいユニットだと思った。おそらく今家にある nOrh 3.0 のユニットと同じ会社の製品で、バッフル口径もまるで同じなので挿し変えが容易に可能と。今度試してみよう。もっとも近いうちもう少し大きな口径のユニットも出そうな話だったのでそれを待って自作してもいいかな。

もう一つこのイベントでは江川三郎氏が審査委員長で、オレはこの人に別に興味はなかったのだが、実際会って話をしてみると実に面白いおっさんだった。だいたいあんな年齢で「大家」になっちゃうと唯我独尊になっちまう傾向があるもんだが、この人は人の話を面白がって聞くし、楽しそうなら何でも試してみて受容する柔軟性がある人だ。気配りもできるし。会ってみないと分からないものだな。オーディオそのものの方向性はオレとは違うけれど、存在して意味のある人だとは思う。少なくとも抽象的な言辞を弄んで同じところをぐるぐる回って大メーカーの宣伝マンと化している多くの「評論家」とは違うと思った。